人勧は無視できない。12月1日施行で給与規程は改正する

ー 給与に関する団体交渉報告 −


 11月22日、職員給与規程の一部改正に関して団体交渉を行いました(組合側出席者:渡邉副委員長他4名、大学側出席者:遠藤事務局長他3名)。

 日 時 2005年11月22日(火)15時30分〜17時
 場 所 事務局特別会議室

  (○:組合側発言、●大学側回答)

○十分な労使の協議時間を確保するため、「職員給与規程」の施行日12月1日を延期すること。
●大学は、法人化後も税金で運営されている国の組織であることは変わりない。公務セクタに対する国民の動向は無視出来ず、出来ることなら給与を下げたくないが、人勧に対応しませんということにはならない。その枠組みの中で、提案した内容は理屈が立つ形で職員の不利益を極力少なくするためのものである。
 施行日を仮に遅らせると、ボーナスの基準日(12月1日)が過ぎてしまうので、0.3%の基本給引き下げのみの実施となり勤勉手当0.025月の引き上げの理由だてができない。
○昨年は手当(寒冷地手当)の引下げであったが、今回は基本給の減額提案を含んでいるのでより重要である。就業規則(給与規程)変更の仕組み(手続き)の問題としても重要である。重要な労働条件の変更は、労使対等の原則で十分に協議する必要がある。組合に説明されたのも11月に入ってからであり、今回がはじめての協議である。十分な時間がないから実施を延期し双方納得いく協議を行うべきである。
●組合の主張も分からんこともないが、10月に説明をしたから時間がなかったとは言えないのではないか?(10月27日の団交後の懇談を指すと思われる)
 国立大学は収入の弾力性がない。収入の6割以上が運営費交付金であり、授業料もむやみに上げるわけにはいかない。病院収入や受託研究費・寄付金の伸びもそんなに期待できない。大学法人は優良機関ではない。収入増加は期待できないが、人件費は出さなければいけない経費である。一般企業の人件費はせいぜい3−4割であり、北大のような企業は存在しない(北大の人件費は収入の56%)。物件費(教育研究費)は可変性があり人件費に回すわけにはいかず節約はむずかしい。
 単年度で黒字を確保しなければならない。一般企業は稼いでいるので従業員の給与も自由に決められる。給与額が国民の批判の対象にもならない。大学は国の組織として、税金に依存しており国民に対する説明責任がある。公共セクタの給与引き下げは流れであり人勧の内容もそうである。このような情勢の中で別の動きをすれば「国立大学は何だ」と言われる。人勧の動向は無視できない。
○人勧の動向を無視するわけではないが、不利益変更についてはきちんと論議したい。「対応をどうすべきか」を協議する時間がない。
●12月1日を延ばしてどういう対応があるのか?
○対応しない方法もある。額の問題だけではない。決め方の問題なので未来に関わることでもある。きちんと協議しないわけにはいかない。
●現実論として、延ばすことによる不利益に全職員が同意すると思うのか?
○12月1日に施行しないとボーナスのプラス分が反映されないが、基本給に関わる0.3%減は大きな問題である。
●「12月1日施行」の必要性を理解してほしい。
○仮に12月1日に間に合わなかった場合でも基本給の減額はするのか(ボーナスはそのままとして)?
●12月1日を越えても、基本給の0.3%減額はやる。手当は基準日を越えたら出す理屈がなくなってしまう。基本給と手当を切り離すことは出来ない。12月1日に間に合わせてほしい。
○大学法人の労使関係には労組法、労基法が適用され、法人化前とは大きく変わった。大学はやり方(対応)を適正と思っているのか?
●団交申し入れは労働者の権利だが、「急ぐから」と当局の方から団交をやろうとは言えない。そういう立場ではない。
○大学から交渉を申し入れてはいけないとは書いてない。道庁でもやられている。
●道庁は労働慣行だろう。
○今回もそうだが、寒冷地手当の時もそうだった。始めに「期限」ありきのやり方で変わっていない。新しい労働慣行でやらないと。2度あることは3度あると思わざるを得ない。昨年の寒冷地手当問題以来すでに1年たっている。反省の時間があったはず。
●厳しい指摘である。昨年の反省がないと言われれば、そういう結果になっているが、申し訳ないと思う。次からはやめようと申し上げている。今回はすみません。協議するつもりがないわけでないが、時間的にそうなってしまったのは申し訳ない。現時点では、12月1日を遅らせることはできない。遅らせる(理由立ての)知恵もない。今後知恵が出るかどうかも分からない。
○「次からはやめる」とはなにをやめるのか?
●人勧の18年度からの改定分(「給与構造の見直し」)については、来年4月までに決めなければならない。事前に交渉は何度でも受ける。
○過去に組合との交渉前に役員会で決定したことがあるが、今回はどのようになっているのか?
●規程改正提案をすることは役員会に報告している。規程改正は今後役員会にかけることになる。今日の交渉内容を組合の方でも検討して、今後どうするか考えてほしい。
○今は中身の問題として要求を呑めない。当局と組合との議論がずれている。
●このままではしょうがない。再度協議をしたい。