北海道大学不当労働行為事件


宿舎問題労働委員会:2024年3月28日和解  Aさん雇止め取消裁判:2024年8月8日和解
2022年職員宿舎問題で不誠実交渉で労働委員会にあっせん申請⇒救済申請 2024年3月28日和解
 3月28日の労働委員会で和解しました 和解協定書
 大学との間では、この和解で宿舎問題が全て解決したわけではなく、具体的なスケジュールや和解条項の履行に関して双方が協議しながら進めていくことを確認しました。
執行委員会声明  宿舎ビラ14号
〇宿舎問題の和解に関する報告・意見交換会 4月12日(金)18:30〜Zoom

◆北海道労働委員会への救済申立
 第9回調査期日:2024年3月28日(木) 
 第8回調査期日:2024年2月28日(水)  機関紙「ほくだい」2024年03月号3ページ参照
 第7回調査期日:2024年1月29日(月)  機関紙「ほくだい」2024年02月号2ページ参照
 第6回調査期日:2023年12月13日(水)  機関紙「ほくだい」2023年12月号3ページ参照
 第5回調査期日:2023年10月11日(水)  機関紙「ほくだい」2023年10月号
 第4回調査期日:2023年8月21日(月)  機関紙「ほくだい」2023年8月号
   宿舎問題ビラ11号
 第3回調査期日:2023年6月27日(火) 機関紙「ほくだい」2023年7月号
 第2回調査期日:2023年5月9日(火) 機関紙「ほくだい」2023年5月号3ページ参照
 第1回調査期日:2023年3月1日(水) 機関紙「ほくだい」2023年3月号
2023年1月16日宿舎問題ビラNo9発行   機関紙「ほくだい」2023年1月号
◆組合は12月23日に北海道労働委員会に救済申立を行い、記者会見を行いました。
   2月23日記者会見の様子
<12/24北海道新聞報道>
◆組合は12月14日に臨時大会を開催し、北海道労働委員会への救済申立を決定しました。
◆2022年9月21日に団体交渉を申し込みましたが、北大は実質的な団体交渉拒否を行ったので、10月7日北海道労働委員会にあっせん申請を行いました。⇒11/14に決定⇒あっせんならず11/28取り下げ

2022年不当雇止め問題で労働審判申立、裁判に移行 2024年8月8日和解 
<本裁判>
◆2024年8月8日第11回調査期日(和解協議)
 Aさん雇止め取消裁判で北大と和解が成立しました 北海道新聞 朝日新聞  北大教職員組合・声明
 和解の内容は明らかにされませんが、「北大が障害者に対して合理的配慮をすること」との項目が入りました。今後北大がどのような手だてを取るか注目されます。
◆2024年7月10日第10回調査期日(証人尋問)
第10回裁判が7月10日に行われ、原告・被告側双方からの証人に対する尋問が約3時間行われ、会場をほぼ満杯になる25人程の傍聴がありました。この尋問で北大が障がいを持つ教職員に対応する職員に対する研修・教育が組織的に行われておらず、個人の努力に任されていること、不更新理由書の具体的な事例に対しては被告北大からの証言は「何度も」「多々」等誇張されていること、障がいの症状を挙げているこどなど、原告の証言に対する信憑性の高さが感じられる内容でした。
  証人尋問終了後、裁判官から和解に向けた話し合いが行われ、裁判官の考え方が原告・被告側に示され、次回8月8日(水)に非公開での審理が行われます。ここで和解するか裁判を継続するかの判断がなされる予定です。
「発達障害を理由に雇い止め」北海道大学元職員の本人尋問 札幌地裁(朝日新聞)

◆2024年4月16日第9回調査期日(非公開)
◆2024年2月8日第8回調査期日(非公開)
北大から準備書面が出されたので、原告側が4月9日までに反論書面を提出し、4月16日に第9回を開催することになった。
現在の裁判官が異動するため次回から裁判官が変更となる。

雇い止め理由は「期限守れず、覚えられず」発達障害の女性が訴え(2024/02/07朝日新聞)
◆2023年12月15日第7回調査期日(非公開)
雇い止め理由は発達障害における障害そのものではないか。そうすると「違法」の評価は免れないのではないか。北大が、合理的配慮としてどのような対応をしたのか、具体的に主張した上で、Aさんが克服する努力をしなかったことではじめて違法ではないといえる。北大はその点を主張立証する責任がある。書面提出期限:2024年1月31日(大島記)

◆2023年11月1日第6回結審 11:30〜札幌地裁701法廷→結審できないため審理に戻る
→障がい者に対する合理的配慮や障がいを雇止めの理由にしていることなど被告・北大は答えていないので準備書面を12月4日までに出すこととなりました。
元職員の女性「違法に雇い止め」主張 北大側争う姿勢(2023/11/02北海道新聞)
◆2023年9月19日第5回調査期日(非公開)
◆2023年7月25日第4回調査期日(非公開)
◆2023年6月15日第3回調査期日(非公開)
 裁判官から論点整理が出され、主張や争点について追加補強を7月18日までに提出し、次回は7月25日(火)に4回目(非公開)が行われます。
◆2023年4月27日第2回調査期日(非公開)
 原告提出の反論に対する反論を被告側が6月8日までに提出し、裁判官から論点整理に進む意向が示されました。次回6月15日(非公開)。
◆2023年3月20日第1回調査期日(非公開)
 原告の反論提出期日と第2回期日(非公開)4月27日を決めて終了しました。

<労働審判>
◆2022年12月15日第1回期日
12月15日に行われた第1回目期日では「更新拒絶の理由自体は適切でなく、合理的配慮がなされたといえるかどうか疑問である。地位確認は認めないが、北大が1月分の給与相当額(慰謝料的な意味)を支払って解決すべきである」とする労働審判がなされました。
北大が労働審判の内容を否定したため本裁判に移行しました。

◆2022年11月1日に雇止めに納得できないAさんは札幌地裁に労働審判を申し立て、受理されました。
 第1回目の労働審判は12月15日(木)に決まりました。審理は非公開で行われます。
2022年不当雇止め問題で労働委員会にあっせん申請
 2022年6月30日に雇止めに納得できないAさんは北海道労働委員会にあっせん申請を行いました。しかし北大はそのあっせんを拒否しました。
その後、9月12日に団体交渉を行いましたが、北大は雇止めを撤回しないため、紛争が続いています。

2022年不誠実交渉で労働委員会にあっせん申請

 2022年3月16日の団体交渉は「不利益変更に当たらない」とする大学の対応が不誠実交渉に当たるとの認識から、4月4日に北海道労働委員会に「あっせん」を申請し受理されました
 2022年4月27日に北海道労働委員会のもとであっせんが行われ、あっせん案に双方が承諾しました。

<あっせん案の内容>
 法人は、組合に対し、団体交渉に当たって、団交事項に関する必要な資料を提示するとともに、丁寧な説明を行い、誠実な交渉をすることを約束する。


2009年北大不当労働行為事件の経過

 2009年春の賃金不利益変更に係る労働委員会での争議は、北海道大学が北海道大学教職員組合に対しての不誠実団体交渉と支配介入の命令書が交付されました。
2009年5月から2011年6月までのとりくみの経過を冊子にまとめ、2011年7月に「2009年北大不当労働行為事件の経過」として発刊しました。

2009年北大不当労働行為事件の経過(冊子全スキャンデータ、約11MB)

2006年7月13日 寒冷地手当問題で大学との和解成立

2006年6月26日 寒冷地手当不当引下げに対する道労委での和解交渉


北海道労働委員会審問

 開催日審問内容・報告(要旨)審問調書傍聴ポスター
第1回05/09/29組合側証人(渡邉副委員長)に対する主尋問pdf 全28頁ポスター1
第2回05/11/08組合側証人(渡邉副委員長)に対する反対尋問pdf 全44頁 ポスター2
第3回05/12/07大学側証人(斉藤理事・前事務局長)に対する主尋問・反対尋問pdf 全48頁
第4回06/03/15組合側証人(渡邉副委員長)に対する主尋問・反対尋問 pdf 全26頁ポスター3
第5回06/04/11大学側証人(遠藤理事・事務局長)に対する主尋問・反対尋問 pdf 全35頁


2005年5月26日、北海道労働委員会に「不当労働行為救済」申立て

 04年寒冷地手当減額の人事院勧告が提示されたことを受け、北大の使用者側は「勧告」通りに実施するよう就業規則の改変をおこないました。

 私達組合は不当な改変に対して2度の団体交渉で、寒冷地手当減額の納得できる正当な理由の明示を求めましたが、使用者側は、「北大の給与原則は公務員準拠」であり、また「大学法人の給与は社会一般の情勢に従うことが通則法によって要請されており、人事院勧告が社会一般情勢を反映している物差である」との回答に終始しました。組合としては、大学経営との関係で具体的にどのような理由で寒冷地手当の削減額を決定するのかが示されれば使用者側との協議に応じることが出来ましたが、減額で生じる1.2億円の使途についても「年度末になってみないと分からない」、「それが経営というもの」という非常に不誠実な回答しかありませんでした。

 この間人事院勧告について国会で国家公務員給与法の審議開始の段階から大学使用者側は減額の基本方針を定め、9月13日の役員会および10月4日の経営協議会で教職員の寒冷地手当削減方針を確認し、第2回の団交開始直前10月25日に役員会で決定し、10月末日に実施しました。

 このような使用者側の対応に対して、「労使自治」による交渉で状況を解決出来ないと判断し、2004年11月26日、「一方的寒冷地手当引き下げの就業規則変更を無効とすること」と「誠実な団体交渉の実現」を求め、組合は「あっせん」を北海道地方労働委員会に申し立てしました。道地労委事務局の示唆で行われた同年12月22日の団体交渉でも、使用者側はそれまで2回にわたる組合との団体交渉での姿勢に変化がなかったこと、続く今年2月23日の地労委が設けた「あっせんの場」においても、減額条件で一切歩み寄る意志を示さなかったことから判断して、これ以上は「あっせん」の進展が見込めないとして3月7日に「あっせん申請」を取り下げました。

 これまでの経緯では公務員準拠・人勧準拠が曲げられない給与原則であると主張する大学使用者は、国家公務員給与法に従って手当を削減するという方針を役員会および経営協議会で決定した上で、組合との「団体交渉」に臨んでおり、当初から教職員・組合と具体的内容での協議をする意思が無かったことが明白となっています。これは、実質的な団交拒否・組合無視とも言うべき対応で、明らかに不当労働行為に相当します。道労働委員会の示唆による最後の団交の場でも、労務担当理事は「今年度は支払う財源はある」、「就業規則の不利益変更であることは承知している」、「しかし、支払わない」と言い放ちました。これは独立した法人として正常な労使間の協議を行なう意志が全くないことを示しています。

 国立大学法人北海道大学の使用者と教職員の労使関係を規定する法的枠組みは労働基準法以外には存在しません。契約内容が労働者に不利益となる変更の際には、過去の判例法理でも「高度の必要性に基づいた合理性のあること」が要請されています。寒冷地手当減額の場合、手当額相当が既に交付されており、従来通りに手当支給が可能という財政条件がありました。労基法下では、労働条件の決定は、職務の特殊性等個別企業・法人の事情に応じて、個々の企業・法人の労使が主体的に決定する「労使自治」が基本であり(労基法はその第2条において「労働条件は、労働者と使用者が対等の立場において決定すべきものである」としています。)団交での労務担当理事の説明などを通して分かるのは、労使対等・労使自治という労使間の基本原則に対する認識が使用者側に希薄であって、勤務条件を法定主義とする旧来の公務員としての労使関係をそのまま引きずったものであり、北大教職員組合としては到底受け入れることはできません。

 これまでの事態は、使用者側が形式的に団体交渉に応じているだけであり、労組法が禁じている「組合に対する不当労働行為」、「支配介入」にあたる理由から、4月13日の臨時大会で「給与・手当問題対策の取り組みについて」を提案し、その討議の結果を踏まえて、使用者側と労働者側の交渉の在り方と誠実交渉をただす方向である「不当労働行為の救済」と「団体交渉を経ずに給与規程を改定しないこと」等の内容で北海道労働委員会に2005年5月26日申し立てました。

(北海道大学教職員組合2005年度定期大会(2005.7.23)議案より)

2005年12月7日、北海道労働委員会に「不当労働行為救済」追加申立て

 05年人事院勧告は、(1)2005年度からの実施を勧告する部分と、(2)2006年度以降の実施を勧告する部分の2つに分かれており、このうち(1)は、「官民の給与較差に基づく給与改定」として国家公務員の月例基本給の0.3%引き下げと配偶者扶養手当500円の引き下げ、そして勤勉手当についての0.05月分の引き上げを主な内容としていました。

 10月27日、別件について組合の申し入れた団体交渉終了後に人事院勧告についての「懇談会」がありました。これは大学側の要請によるものです。大学はこの懇談会で運営費交付金の退職金部分と国家公務員給与との関係、すなわち「人事院勧告と大きく異なる措置をすると退職金について大学が差額を負担することになること」の説明をしました。しかし大学は、今回の0.3%の給与引き下げを実施しない場合に大学が差額負担することになる具体の金額を組合に提示し、引き下げなければどのように大学経営が立ち行かなくなるのかといったことについての説明は全くありませんでした。またこの時点では、大学は、まだ改正予定の給与法に従って大学が職員給与規程を改定するかどうかは決めていないとのことでした。

 大学は11月9日に職員給与規程の改定について、過半数代表候補者に対する説明会を行うことを決めました。11月4日、職員課長が組合書記長に改正給与法に準じて大学の職員給与規程を改定する旨の、実施時期を「平成17年12月1日」と明記した「改正の骨子」が書かれた紙を渡し、11月9日の過半数代表候補者に対する「説明会」の後に組合にも説明会を行うと伝えました。その際、組合からの申し入れがあればこれを団交にしても良いという案を示しました。これは、法人化後初めての基本給の改定案件であるにも関わらず、大学は組合から団交を申し入れて来い、申し入れがあれば11月9日の説明会を団交にしてもよいという態度でした。先の「懇談会」は大学側から提案しておきながら、団交は組合から申し入れて来いという態度です。教職員の給与を不利益に変更する提案をしようとしているにもかかわらずです。

 一方、この間11月4日付けで、大学は、ホームページに「平成17年度の職員給与の改正(案)について(お知らせ)」を掲載しました。驚くべきことに、その中には改正の実施時期が平成17年12月1日と明記されています。組合への交渉も申し入れず、従って一度も交渉を持たないうちに「改正」内容を実施時期まで含めて学内に公表したのです。

 給与を引き下げる提案ですから、組合は大学から交渉申し入れがあるべきと考えます。しかし、非常に残念ながら大学からの交渉申し入れの見込みがないと判断したため、11月17日、組合はやむを得ず大学に対して団体交渉を申し入れました。11月22日に開催された団体交渉では、組合は、今回の職員給与規程改定は基本給の減額を含んでおり、極めて重要な労働条件の変更であるにもかかわらず12月1日実施が前提とされていることに対して、労使の十分な協議を保障するものではない旨を抗議し、12月1日実施を保留にして十分協議するよう求めました。しかし、それに対して、大学は、法人化後も大学は「国の組織であることは変わりない」旨を述べて、あくまでも改正給与法に準じて職員給与規程を改定し12月1日に実施することに固執しました。組合は、平成16年度における人事院勧告準拠の寒冷地手当削減と同様、始めに「期限」すなわち「必ず実施する」という曲げない態度を示して「交渉」しようという大学の姿勢に強く抗議しました。

 その後11月28日に持たれた2回目の団体交渉においても、大学は「組合への説明が11月に入ってからと遅かったことは反省している」と言いつつも、「延期はあり得ない。受け入れていただけなくとも、実施させていただく」「明日、明後日中に役員会の了承を得て労働基準監督署に就業規則改正の手続きをする」と述べて、実質的な協議は一切なされませんでした。結局大学は、組合との実質的な協議がなされないまま、12月1日に基本給引き下げを実施しました。

 このように11月22日と11月28日に実施された団体交渉において、大学は改定職員給与規程の12月1日実施を当然の前提としており、組合と協議した上で合意を達成する意思が全くなかったことは明白です。現在、人事院勧告準拠の寒冷地手当削減について、北海道労働委員会の場で争っている最中にもかかわらずです。人事院勧告を受けて改定された給与法に準じて職員給与規程の変更を一方的に実施した行為は、労働組合の存在を否定し、労使対等の立場で労働条件を決定することを否定していると言えます。組合は、2005年12月7日この間の経緯を北海道労働委員会に追加申立てしました。