この言葉は、1952年に大山郁夫氏が北大を訪れたときに、北大職組に贈られたものです。
大山先生は、大正デモクラシーの担い手の一人で、早大教授・朝日新聞論説委員・労農党委員長・国会議員として、民主主義と平和の立場を貫いた政治学者であり社会運動家です。
朝日新聞時代には、日本帝国主義のシベリア出兵反対の論説を書き、大学の軍国主義化を狙った早大軍事研究団事件では早大教授として断固抗議し、関東大震災では社会主義者・不穏分子として戸塚署に拘留されました。
大山先生は、1925年(大正14年)に北大農学部農業経済学教室高岡熊雄教授の招きで北大を訪れましたが、これ以降北大とのつながりが続いています。
戦後、「民主主義の確立と世界戦争の阻止」「国内外反動とたたかおう」と平和運動の先頭に立ち、1949年には占領軍批判で逮捕されますが、日本平和委員会の初代会長として活躍しました。
戦後いち早く活動を開始した北大の平和運動は、最初から大山先生と緊密な繋がりがありました。1952年7月19日、大山先生が北大を訪れたとき北大職組から花束を贈り、先生からこの色紙が組合に贈られました。
色紙の「真理によって立つ」は北大職組が発足以来一貫して平和と民主主義・統一を貫いてきたことを評価して書かれたものです。
現在多くの労働組合が使用者(資本)側の立場に立ち、その役割を果たし得ていないとき、大山先生の色紙のもつ意味はますます光を増していると考え、組合結成50周年のテレフォンカードに採用させて頂きました。
1997年1月25日
北海道大学教職員組合50周年記念実行委員会
(※原文は故松井愈先生のものです。これを実行委員会が要約させていただきました。)